2016年6月5日日曜日

詩#43 ある肉片

#43 ある肉片

盛られた肉片に
睨んで見られた
僕の見せない
ドス黒い感情の炎
焼けてるでもなく
生肉でもなく
肉の細胞が噛み潰され
残虐の記憶が脳へと伝わる
確かなこの歯触りと香り
ボクの体の一部が
敏感に反応し
溺れて泣き喚く
肉の油膜は
ボクの口の粘膜を覆って
憎しみを胎内へと押し戻し
ぬるい羊水の雨に撃たれぬよう
水玉の傘が開かれ
三日月の鋭利が
ボクの心臓を突き抜いた
母体はボクの涙を
笑って泣いた


#怖い詩

#エロい詩

#官能的な詩




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