詩#257 基準
立ち枯れた枝に垂れ下がる
青のものさし
図り流す赤い血は
ヤードポンド法では測れず
メートル法では規格外
尺貫法の閉ざされた世界の
後ろ姿は女
落掛に吊るされた一輪挿しの
薔薇の棘を掴んだ腕は
掘削機にかけられ
手にした棘は女の守り神
柱割りにくくられた
微震に怯える
嗅覚に恥じらう番犬
六尺三寸に横座りの足枷がはめられ
瞼の裏側だけの死角に
妄想という映像化される
ひとりぼっちの視覚
縫合した牡丹に針子のボタン止め
敷き詰めた記憶の罰に
嘘つきな幻覚の
頂点三つの痛覚
有刺鉄線が女を喰い込む
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