2016年6月14日火曜日

詩#189 化粧

#189 化粧

鏡に向かった素顔の
自然毒の落ちぬ化粧に
笑うため息がこぼれ
厚塗りする
なりすましの化粧を施した
犯人の男だけに見える女
口に挟み込まれた
白ティッシュの白染みと
白い言葉の羅列に
エロチズムにこすり合わせの貝が
赤い紅筆を読み解いた毒を
中和させていく
素顔の女は媚びずに
艶やかな唇



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