2016年6月22日水曜日

詩#237 別れの曲

#237 別れの曲

大人の姿に取り置きされた
演じられない子供の絶望は
口の中で濡れ膨張した手袋と
一緒に飲み込まれ

あるはずのない
自然な行進は
紛い物の運動会
行進曲の舞台装置は
淫を踏み続けた不穏なリズム

運動会はやがて社会へと走りだす

ありえない理路整然は手配師の奇策
生演奏に打ち据えられる
憚る編曲家の劇伴
帯をまわしたあなたの
黒鍵だけで弾く別れの曲




#怖い詩

#エロい詩

#官能的な詩



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