2016年6月23日木曜日

詩#245 爪

#245 爪

あからさまな青に
僕の青が苦悩し
毛羽立つ倒れた毛玉になって
アスファルトに転がっていたら
新しい飼い主が
金魚の尾ひれを掬うように拾い上げた
時計の短針と長針が
11と12の間を
さしている
僕の眠るは意識を失うこと
僕は短針と長針が
重なるのを知らない
飼い主が深夜にかけはじめた
音の闇は掃除機
しゃがみこむ
あなたの後ろ姿
僕は知っている
宝物を探すように
青い猫の爪を青い小瓶に
集めていること
明日の朝
その小瓶を僕も見るんだ
そう それは だって
僕の命が剥がした爪

奥歯に噛み締められた
白い錠剤が粉っぽく残っている




#怖い詩

#エロい詩

#官能的な詩




0 件のコメント:

コメントを投稿