2016年6月17日金曜日

詩#211 受け止める

#211 受け止める

受け止めた車
六角の雪結晶は
フロントガラスに貼りつき
身は直ぐに崩れ溶け
流れはじめる
ぼやける視界に戸惑う指先は
躊躇なく
甚振る感情に酔いしれる

作動させた左右に振られるワイパー
妥協しない水滴の払拭
ゴムの鬼畜
鳴き砂の共振共鳴
指鳴らしの合図
飛び込む女を受け止めた血生臭さは
オイルのように交換できず
ひたすら黒いまま
破滅の最後に向けて召喚された
強いブレーキ音は幻聴の残響
息は止めたんじゃないの
殺すために呼吸をするもの
潰された心臓に
生き抜いてる脳が
「ほら、大丈夫よ」
覚醒したまま感じてる



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