2016年6月16日木曜日

詩#203 ヒトデ

#203 ヒトデ

鳥の剥製を青空に飛ばし
干からびたウミウシと
乾燥機にかけた子供の右手を
海に突き飛ばした

どうか
「人手に渡るヒトデに間違われますように」

両唇吸着音に
手合わせる鬼ヒトデ
楓吹雪が
海のメープルシロップに傷つき
幕間の捌けない
荒波の欲情
海月の突き出した
自慰の楓狩り
右手の
右肩に乗る
右手首の
巻きつく右足
右傾の風見鶏が
教会のステンドグラスを砕いた
右利きの強姦
烏骨鶏の右滑稽

右倣え!

ひきづり出した血反吐は
黒かったか白かったか



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