色づいて膨らみ始めた
その果実
ぶら下がるその実を
口に含んで舌で転がし
確かめれば
享楽して求める
張り詰めた皮
破裂しないよう前歯で咬み付き
選ばれた証
他の実
全てをもぎ取って
地面へと叩きつけ
見せてやる
髪を撫で
「あなたは最高なの」と握らせて
目を塞いでは
「どうしたの」と欲しがらせ
手を拘束しては
「ダメよ」と与えず
口をこじ開け
「いいのよ」の甘え
全ての断絶
私に向けた愛欲だけの支配に
狂乱すれば
熟れた実
押し付ければ
自ら割れて
享受する
ドロリと溶け出し
青臭さもえぐみもさらけ出したのは
「そう、わたし…」
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