錠前師の女肌に食い込む
いぶし銀の南京錠
あなたを壊す鍵穴に
甚振り弄ぶように
ごわつく尻尾を
撫でつけて
皮膚から切り取った南京錠
誰にも盗ませないと施錠して
鼻を鳴らさせては
甘えさせ
牙を剥かせては
服従させる
ご褒美に
自らを押し付けてきたその罰に
「ダメね」と
震える指先
「合鍵」縫い付け
赤いステッチ・赤い玉留め
余った赤糸
リードにしては
己の鍵穴へと向かわせる
深く差し込まれた合鍵
泣いたあなたに
赤い玉留めチョン切って
引き抜く赤糸
その先の
わたしの合鍵
潜らせる
叫んだあなたに
「ご褒美よ」
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