2016年6月6日月曜日

詩#80 かぞえうた

#80 かぞえうた

契られた五つの花弁の
笑われたかぞえうたに
晒された ひとひら

流れ落とした愛液に
愛憎の上澄みを掬い
飛ばぬ花粉に
汚された ふたひら

真っ赤なルージュに
咥えられた
花脈の鼓動が
激しく波打つ みひら

擦れ合う輪郭に
悦びの深紅が溶ければ
抱き込む慈愛の
痛む よひら

遊ばせてと
刺された棘に
ゆれる指先が触れた
最後の 花びら


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