2016年6月9日木曜日

詩#127 白粉

#127 白粉
籠もる扇の破れ穴
呼び覚ます冷気の隙間風は
塞がれた目あてがう両手に
地熱の向かい風

逆手の逆開きに乱れ咲く花びら
春風に吹き上げる

抱かれるように抜かれた
ひとひらの投扇

畳目に残された白粉の穢れ



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