2016年6月3日金曜日

詩#23 覚えた春

#23 覚えた春

春子が春駒に跨った
駆け巡る春風
跳ね上げた春泥
白い肌に病巣のように点々と

点は春分点の断末魔
「許してね。」と
春告鳥の舌を抜き
泣けない赤子に差し入れる

春蚕
春画に蠢き
亀頭に噛み付くと
春雷落ち
浮かび上がった春告げ魚の
澄んだ鱗を
逆撫で剥がし

春服まとった少女の頭上
春雨降れば
透けた体の春機発動
高鳴る天悦の不協和音
青い春が春眠の中で喘ぎ叫ぶ

飛び立つ春蝉の
しょんべんが
春潮に溶けて
春月を映す

少女の秘めた春霧よ
彼の娘を産み
落とせ!


0 件のコメント:

コメントを投稿