あなたを剥がした薄皮に
擦り付けた性器の拓本
海の引力に紫を沈め
拓を取る指に
星のしけもく
はにかむ処女膜の縫い目に
男は金を出す
僕の描いた絵本
膝を立て椅子に座る裸婦に
男はいなかった
全ては女の太腿への朗読が
霖雨の塵へと昇華して
下半身から降り積もる
最初の女より
最後の女でありたいと
念仏を突き上げた箱に頭を差し込んで
細く細かい糸を伸ばし
余った精子をかき集める
そしていつかの
猫の毛玉を飲み込んでやる
わたしが殺したのはあなたじゃない
自分の声帯を殺したの
ごめんないさい。
声だけは騙せなかった
誰かの 誰かからの
供え物を咥えて舐めた
目の奥まで
焼けただれてしまうような
羽布団のカラスの羽だけを
ベランダから自殺させてやる
幻聴に耳を研ぎ澄まし
悲しませた分だけ
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