短い夏の
嘘を言ったカラスの
死にきれない夜の毛皮
切り落とした悲鳴は意味を持たず
ボカロだけに陶酔した
ちぎれた耳の死後硬直を砕いて
彗星の青に乗っかった
檸檬の花に
嘔吐する未来の恐怖
トライアングルの音色を吸った
着飾った黒いマネキンに
くりぬかれたホクロを
流し込まれたカメレオンの舌
にわか雨をふやかして
心を固めた幸せを
鉛筆削りにかけて
鋭く尖った
努力が叶わぬ残酷
頼られた裏切りに
平等な者は殺してください。
#怖い詩
#エロい詩
#官能的な詩
悟れない
ひしゃげた人型を背負った
ロール状の人体
熱線を押し当て
恐怖心を押し殺した
人型に轢かれた戦車
あの空に向かおう!
100年前と何が違うか!
戦争を笑え 戦争を笑え 戦争を笑え
戦争を笑え 戦争を笑え 戦争を笑え
間違いのない間違い探し
死者の歌声は
真っ黒なページの
押し殺した楽譜
#怖い詩
#エロい詩
#官能的な詩
人型に煙る煙草の
喉仏を押し殺した炎夏
黒い汗は
銀の球体に映る
真四角の包まれた
太陽柄の漆黒
逆再生された夢精
金魚のぬめりで
直線を描いた丸みは
親殺しの約束を果たす
#怖い詩
#エロい詩
#官能的な詩
忘れてしまいたい花言葉に
有毒植物学はアザミの遺骨
生き抜く復讐に
ひき剥がす棘が
口唇を引き裂く
弄られた恐怖心の
青い雄たけびは
殺されなかった者への
真っ赤なおくりびと
#怖い詩
#エロい詩
#官能的な詩
復讐を握りしめた血飛沫に
僕の舌が突き刺さる
付き合わせたサヨナラは
生き人の目に
熱湯に潜らせた
焼き解かれた身体
ぐらついた歯は
僕の弱音を這わせ
花言葉の策略に
冬芽の新芽
潜り込む幸せに
落とし込んだ
飲み込めない春の怖さ
#怖い詩
#エロい詩
#官能的な詩
詩#268 人口爆発//なん番目の少女//
網戸の網の目についた白露を
接吻の口ですする
一億八千六百四十二人限定の世界に
一億八千六百四十三人目に生まれた
両親の血を売る浅ましい少女
#怖い詩
#エロい詩
#官能的な詩
詩#286 仏
骸骨の仮面
穴の目玉から
青い薔薇の絶望をくり抜く
魅せていたのは花畑
凭せていたのは絶命
気が触れた女の
薔薇時計をバラしたネジのばら撒かれた侮辱
寝たきりになって屈辱
骨粗鬆症はお骨を食べたらよくなるわ。
銀の匙で掬った喉の仏
#怖い詩
#エロい詩
#官能的な詩
#264 助けて
幻覚の僅かな隙間の
正気を探し続けた
“僕のそれが全て”で
幻聴を無視できる瞬間の
本音を見つけ続けた
“僕のそれが願う自身”であった
看護師の白さに黒目がよじれ
狂う中に
「どうがその僕を探してください」
精神の炭化を隠す
張り付いた白いシーツに巻き取られ
幻覚の激しい痛み
膝を打ち壊し
看護師に助けを請う
血液検査の精血までもが
擦り切れた幻聴と
溺れる幻覚に紛れてしまう
針から抜けた血から死臭がした
看護師の触れる手に
母性の傾きを求め
脳狂言の舞台劇
毒盛られた食事は食べられないと
点滴の晩餐を僕は選ぶ
チューブは手首を絞め殺し
この身体は刺されることを受け入れてしまう
医師の白衣は能面をしたためた
#怖い詩
#エロい詩
#官能的な詩
#263 狂夏
木天蓼の口紅を塗られた女の
恍惚の体温計は閉鎖病棟に続く
蜃気楼の渡り廊下
不明な僕の微熱の
足袋足が擦れて歩き
置き土産にされた
病棟にある真っ赤なポスト
綺麗な日本語のアルファベットを探すように
錠剤に書かれた鏡文字の
気狂いの数字を舌で舐め溶かし
両性花の引き抜いた花弁と
混濁投函
精神病の礼儀文に候
死に向かう中でさえも
絶望を見つめてしまった
ショウリョウバッタの
三角の頂点をピン留め
季語は狂夏
続き続ける幻覚のカウントは
ベットの鉄格子に
僕が咥えたティッシュの結び目
まるで赤いうさぎの耳を勃たせるように
今日は何日め?
#怖い詩
#エロい詩
#官能的な詩
詩#257 基準
立ち枯れた枝に垂れ下がる
青のものさし
図り流す赤い血は
ヤードポンド法では測れず
メートル法では規格外
尺貫法の閉ざされた世界の
後ろ姿は女
落掛に吊るされた一輪挿しの
薔薇の棘を掴んだ腕は
掘削機にかけられ
手にした棘は女の守り神
柱割りにくくられた
微震に怯える
嗅覚に恥じらう番犬
六尺三寸に横座りの足枷がはめられ
瞼の裏側だけの死角に
妄想という映像化される
ひとりぼっちの視覚
縫合した牡丹に針子のボタン止め
敷き詰めた記憶の罰に
嘘つきな幻覚の
頂点三つの痛覚
有刺鉄線が女を喰い込む
#怖い詩
#エロい詩
#官能的な詩
詩#278 死にたいポルノ
人手に渡るヒトデの人撫で声に
真赤な分子の死にたい摩擦
粘着する自己保存の口紐が
弛んで鳴いた
ボク ヲ コロシテクダサイ
血にふやける薄皮の磨耗は
耳を疑えない幻聴への近道
認められない真実の目は
粉砕機の中の
叫喚部位に浸っている!
悪辣する垂れた背筋の胎児
腫れ上がった無声ポルノ
淫猥が教理の蜘蛛の巣に引っかけ
黄ばんだリンゴの芯に吊られている
#怖い詩
#エロい詩
#官能的な詩
詩#261 無季節の患者
どこの誰だか名も知らぬ者同士が
無四季の向かい合った病室に潜んでいる
ふたりが喋り続けるのは
閉鎖病棟の輪廻のような
青く削りあげた如輪木にしかないと
冷たさをこじ開けるように
一層穏やかに医師は言った
出会うことのない
不義なふたりの出会いは
能面で廊下を覗き込んだからだった
オレンジに染まる廊下には
匂立つ幼い頃の
大きな夕日の衝突が立ち枯れし
一点透視図のような
伸びたふたりの人影を
不定愁訴が吐き出している
影だけの重なりは
強張りを消失するかわりに
骨張る骸骨の痛み分けをはじめ
ピンドットの血飛沫を
コインドットの血だまりに変えた
蠱惑する看護師の手垢が
夜霧にかざされた時
手すりの赤い涙が慰めるように
ささくれたふたりの口唇に触れた
黙らせていた弱む影は
無風の止めてしまう命に
本心の生き抜く風鈴を鳴らす団扇を仰いだ
真っ赤な異常事態を知らせる
警報装置のコードブルーが騒ぎ立ち
留まりたいと懇願する
妖影の支離滅裂な存在を感知すれば
幻聴に傾けた耳が堕ちぬようにと共鳴
いつしか夕日は
愛育の青く打ち破れた波を呼び寄せ
黙秘の影をうっすら喋らせた
歪な口元を動かすことなく
過去への相容れない挨拶をさせたのだ
神経伝達物質は決して
辛い記憶の旅はさせない
思い返しても思い出すことの出来ない
自身の脳が廃棄された記憶
決して口にしない
あの季語とその時節
震えて溢れかえる無の季節に
僅かに残された神経伝達物質の
燃え滓さえも燃え尽きてしまった僕の精神
学帽を深く被る影の涙は真っ白で
それはシナプスが棺桶を覗き込んだ
死化粧の白粉だった
#怖い詩
#エロい詩
#官能的な詩
詩#260 音楽の時間
枕詞の掛詞 上顎外れた 投げ言葉
平仮名 戒名 送る仮名
死語の絵文字 尾骨抜いた 刺し言葉
偽文字 癖文字 鏡文字
俗語の痛文字 尺骨折れた 抜き言葉
主文 作文 脅迫文
窄めた口の垂れた耳
拍手喝釆 痛手に逆手
吊り目の老顔 団子鼻
威武堂々 抜いたさし足 勇み足
指名手配のモンタージュ
触れもの 振り向く 振袖の
身投げた金魚の 身悶え 身震い
息のかかった 金の箔
流し流した 見受けの 質に
お宮参りのホシ流れ